ダウンロード可能なPC関連雑誌

創刊号(1975年9月号)からVol 21 No 11(1996年11月号)まで収録
“Build the Mark-8, Your Personal Minicomputer”(Mark-8、あなたのパーソナル・ミニコンピュータを作ろう)というキャプションを付けられたMark-8 (1974)が、Radio Electronics誌の1974年7月号の表紙を飾っている。
“World’s First Minicomputer kit to Rival Commercial Models”(市販のミニコンピュータと肩を並べる、世界最初のミニコンピュータ・キット)というキャプションを付けられたAltair8800がPopular Electronics誌の1975年1月号の表紙を飾っている。
創刊号(1974年11月・12月合併号)から1983年3月号まで収録
創刊号(1977年1月・2月合併号)から1984年10月号まで収録
第1巻 第2号(1974年8月号)から第3巻 第7号(1977年1・2月合併号)までを収録[創刊号以外にも欠号あり]
『月刊アスキー』創刊号
第1巻 第2号(1974年8月号)から第3巻 第7号(1977年1・2月合併号)までを収録[創刊号以外にも欠号あり]

コンピュータ関連事典

PC関連事典

Sippl, Charles J.(1981 Rev. ed. of Microcomputer dictionary and guide, 1976, c 1975) Microcomputer dictionary, Howard W. Sams & Co.m Inc., Indianapolis, 606pp.
https://archive.org/details/microcomputerdic00sipp
archive.orgでユーザー登録後、デジタルデータを期間限定で利用できる。

Kent, Allen, Williams, James G. (1988) Encyclopedia of Microcomputers, Volume 1, Access Methos to Assembly Language and Assemblers, Marcel Dekker, Inc., 434pp.
https://archive.org/details/EncyclopiaMicrocomputers01
Sanchez, Michael M. “Altos Computer Systems”, pp.66-73、Krause, Barbara “Apple Computer, Inc.” ,pp.218-221、Ashton-Tate, Inc. “Ashton-Tate, Inc. ” ,pp.376-382などの項目を含む中項目事典

百科事典

DECのマイクロプロセッサ

DECのMPS (MicroProcessor Series)
DECの1974年のハードウェア製品 MPS Computer Program
DEC (1972,1973,1974,1975,1976,1978) Digital Equipment Corporation Nineteen Fifty-Seven to the Present, p.38
http://gordonbell.azurewebsites.net/digital/dec%201957%20to%20present%201978.pdf
 
DECの1976年のハードウェア製品 MPS Program
DEC (1972,1973,1974,1975,1976,1978) Digital Equipment Corporation Nineteen Fifty-Seven to the Present, p.60
http://gordonbell.azurewebsites.net/digital/dec%201957%20to%20present%201978.pdf
 
Microprocessorを用いたDEC製品
DECの1974年のハードウェア製品 MPS Computer Program

マイクロコンピュータ用ソフトウェア

DECのMPS(MicroProcessor Series)、IntelのMCS-4, MCS-8, MCS-80、MotorolaのMC 6800, National SemiconductorのIMP-4, IMP-8, IMP-16、RaytheonのRP-16、RCAのCOSMAC、Rockwell InternationalのPPS-4, PPS-8といったマイクロプロセッサ上で動作するソフトウェア

[出典]
山中和正、田丸啓吉(1976)『マイクロコンピュータ入門』日刊工業新聞社、pp.112-113の表9.1「マイクロコンピュータのソフトウェアの現状(資料:IEEE Spectrum)

ミニコンピュータ vs マイクロコンピュータの性能比較

ミニコンピュータ vs マイクロコンピュータの性能比較(1974年,1978年)
マイクロコンピュータのCPU性能は,下図にあるように1978年頃にはミニコンピュータに近くなっている。
 
「マイクロプロセッサの市場はアメリカでは1974年に比べて1978年には5倍となり,1982年までには12倍となると予想されている.この1~2年に今日のミニコンと同一性能で低価格のマイクロコンピュータが供給されるようになろうが,市場としては,8ビットマイクロコンピュータ( ~40%),コンピュータとしての応用 (~30%)が中心となると予想されている.」
[出典]東山尚(1978)「応用システムの設計と開発」電子通信学会編『マイクロコンピュータとその応用』電子通信学会,第9章,p.305
 
1970年代マイクロコンピュータとミニコンピュータの性能比較
マイクロコンピュータ ミニコンピュータ
命令種類 48~78 100~200
基本命令
実行時間
2~20μsec 0.5μsec
割り込み 1~8レベル 多重レベル
ハードウェアによる
割り込み処理機能あり
DMA 一部あり 標準
メモリー ROMとRAM RAM
その他 スタンダードI/Oなし
基本ソフトウェアなし
スタンダードI/Oあり
基本ソフトウェア完備
 
[出典]泉川新一(1983)『マイコン・パソコンとOA入門 基本18章』電波新聞社、p.365

1970年代中頃の日本におけるマイコン・キット

 
マニア向け「商品」として好評を博した技術者向け「評価用キット」- 専門技術者層を超えたコンピュータへの憧れの存在
 現在ではパソコンの心臓部として欠くべからざる重要部品であるCPUは、その登場時は「マイクロコンピュータ」と呼ばれていた。その当時は、現在とは異なり性能が低かったこともあり、CPUが一体何の役に立つのか、まだはっきりとはしていなかった。
 そのためCPUは関連技術者に対して、それがどのようなものであるのかを理解してもらうことや、コンピュータとしてのその性能がどの程度のもであるかを評価してもらうことを目的とした「マイコン・キット」として売り出された。本来は技術者向けの評価キットであったのだが、下表のようにコンピュータが普通の個人にもなんとか手が届く値段で手に入るということで、マニアを中心として大変な人気を博した。
 先行したアメリカでは、数多くのマイコンクラブが作られていた。そのマイコンクラブの中での伝説的存在が、1975年3月に第1回目の会合を開催したThe Homebrew Computer Club [brewとは醸造酒のことであり、home brewは自分で酒を作ることを意味する。そこから転じて、この文脈ではコンピュータを手作りするクラブという意味である]であった。The Homebrew Computer Club には、後のアップル社を作り上げたスティーブン・ジョブズやスティーブン・ウォズニアックなどパソコン業界の数多くの有名人が所属していた。
  「マイコン」はマイクロコンピュータの省略形であると同時に、マイ・コンピュータ(個人用コンピュータ)の省略形でもあった。高くて個人にはとても買えそうになかったコンピュータが、自分のものになるということでマニアの間で大いに人気を博したのである。
 
日本におけるマイコン・キット時代 – 1976~1978年
 
 下表のように、日本でも1976年8月発売のNECのTK-80のヒット(売れても2,000台程度と考えられていた[注]のが、総計6万台も売れた)を契機に、アメリカにさほど遅れることなく、マイコン・キットのブームが起こった。そしてそれがNECのPC8001などのパソコン・ブームへと転化していった。

 
[注]遠藤諭(2019)によれば、「TK-80は、「教材用なので200台も売れれば」と考えて作られたものだったが、期せずしてコンピュータとして受け入れられ、後年「第一次マイコンブーム」と呼ばれることになる大きなうねりを作っていく。TK-80は、発売後2年間で約2万5000キットを販売。」とのことである。
遠藤諭(2019)「TK-80、PC-8001、NECのパソコンはこんな偶然から始まった」遠藤諭のプログラミング+日記 第67回、2019年08月08日
https://ascii.jp/elem/000/001/912/1912291/
 

 関連雑誌としては、日本初のマイコン専門誌『I/O』が1976年に西和彦、星正明らによって創刊されている。創刊後の発行部数は3,000部であった。1977年にはアスキー社によって『ASCII』が創刊されている。

1977年前半に日本で発売されていたマイコン・キット

 
[出典]
 
 
TK-80のヒットに触発されて、1977年以降に日本メーカーが発売したマイコン・キット
発売時期 メーカー名 製品名 使用CPU 価格
(円)
画像および関連情報
1977年3月 富士通 LKit-8 富士通 MB8861N(1MHz)
(6800互換)
93,000  
1977年8月 日立 日立トレーニングモジュール
H68TRA
日立 HD46800
(6800互換)
99,000  
1977年9月 パナファコム ラーニングキット
LKit-16
パナファコム MN1610 98,000
1978年3月 東芝 TLCS-80A EX-80

東芝 TMP9080AC
(8080互換)

85,000  
1978年12月 シャープ SM-B-80T シャープ LH0080
(2.5MHz,Z80互換)
85,000 RAM 1KB(3KBまで拡張可能)
1978年12月 NEC

μCOM Basic Station
TK-80BS

TK-80などと組み合わせるためのキーボードやRAM、ROMなどの周辺機器セット 128,000 マイコン・キットとしてマイクロソフト社のBASICを最初に搭載
1978年5月 シャープ MZ-40K 富士通製の4ビットCPU
「MB8843」1.8MHz
24,800 子供向けのおもちゃとしてのキット[注]

シャープのMZ-40Kに関する注
他のキットとはターゲット顧客が異なり、「技術者向けのトレーニングキット」ではなく、「子供向けのおもちゃとしてのキット」であることに注意。「マイコン博士」という商品名称で売られていた。CPUは「ワンチップタイプのマイコン」で、「1KBのROMと64ワード×4ビットのRAMを内蔵し、37本のI/Oポート」を備えている。
http://cwaweb.bai.ne.jp/~ohishi/museum/mz40k.htm
MZ-40Kについては下記Webサイトの該当ページも大いに参考になる。
http://www.sharpmz.org/index.html
MB8843に関わる詳細な技術情報が下記WebページのPDFにある。
http://www.sharpmz.org/download/mb8843.pdf

 
[出典]
SE編集部編(1989)『僕らのパソコン10年史』翔泳社,p.14
太田 行生(1983)『パソコン誕生』日本電気文化センター,p.29
パナファコム ラーニングキット LKit-16:http://www.st.rim.or.jp/%7Enkomatsu/evakit/LKit16.html
シャープ SM-B-80T : http://www.retropc.net/ohishi/museum/80t.htm


[関連参考資料]
山中和正、田丸啓吉(1976)『マイクロコンピュータ入門』日刊工業新聞社,pp.30-31の表3.1「各種のマイクロコンピュータ」

著作権裁判関連 – Apple

Liberman, A.(1984) “The “Apple” Cases: A Comparison of the American and Australian Decisions” UNSW Law Journal, Vol.7 No.1, pp.143-159
http://www.unswlawjournal.unsw.edu.au/sites/default/files/7_liberman_1984.pdf
McKeough,J. (1984) “Case Note: Apple Computer Inc. v. Computer Edge Pty Ltd,” UNSW Law Journal, Vol.7 No.1, pp.161-172
http://www.unswlawjournal.unsw.edu.au/sites/default/files/8_mckeough_1984.pdf
Waters、L. (1988) “CIRCUIT LAYOUTS BILL 1988,” Apri 1989 COMPUTERS AND LAW NEWSLETTER,p.13
* Lesley Waters
http://www.austlii.edu.au/au/journals/ANZCompuLawJl/1989/14.pdf

Intel 8080 vs Motorola MC6800 — 対応プログラミング言語ソフトウェア、発売開始時期

Howard Falk (1974) “Computers: Microcomputer software makes its debut,” IEEE Spectrum IEEE Spectrum, Octover 1974,pp.78-84, DOI: 10.1109/MSPEC.1974.6366690のp80のSome currently available microcomputer softwareの表では利用可能なCross-Assembler、Self-Assembler、Editorが下記のようになっている。

Microcomputer Systems Cross-Assembler Self-Assembler Editor
Intel
MCS-4
MCS-S
MCS-80
Written in ANSI standard Fortran IV; source deck, $1250; now used on many systems, including IBM, CDC, and Univac, Time-sharing versions now up on several commercial systems.
Offers macro and conditional assembly capabilities
Versions for MCS-8 an -80 are compatible with the cross-assemblers.
MCS-4 version is not compatible.Available only to development system users.
No charge
Editors run on MCS-8 and -80. Manipulate strings, search, and substitute.
Available only to development system users.
No charge
Motorola Semiconductor Products MC6800 Runs on Tymshare system ; macro capabilities are in development
None
None Source statemen text editor runs on GE Tymshare system
 
販売開始時期ほか
Electronics December 26, 1974, Vol. 47 No. 26 (Published December 20, 1974) pp.114-115の記事
本記事の中では、モトローラのMC6800がサンプリング出荷の段階からフル生産の状態に移行しつつあることや、少量出荷時でMC6800の価格が$360、ROMが$35、RAM(MCM6810L,128-word-by-8-bitすなわち128byte)が$30.5であることが報じられている。
Michael Holley, Motorola M6800 Microprocessor Historyで同記事をダウンロードできる。
 
Fagginの証言
“It took a year to put the 8080 into silicon and the first production run was in December 1973. Intel introduced the chip to the market in April 1974 at a price of $360. The response was so great that the first five months of shipments repaid the 8080’s development costs.”
After the 4004: the 8008 and 8080. By Federico Faggin
http://www.electronicsweekly.com/blogs/mannerisms/yarns/after-the-4004-the-8008-and-80-2008-08/
“The 8080 really created the microprocessor market. The 4004 and 8008 suggested it, but the 8080 made it real.The 8080 really created the microprocessor market.” Faggin(1992)p.150
Faggin, F. (1992) “The Birth of the Microprocessor”,Byte, March 1992, pp.145-146,148,150
 
当時の解説書
 
CPUの処理速度 —- MIPS値
Intel 8080 0.64MIPS(4004の約20倍、8008の約10倍の総合的性能)(動作周波数2MHz)
Motorola MC6800 0.7-1.3MIPS(動作周波数8-16.7MHz)
[Motorola MC6800のMIPS値の出典]金田悠紀夫(1991)『マイクロプロセッサとRISC』(電子情報通信学会編コンピュータアーキテクチャシリーズ)オーム社、p.2。