IBM PC(1981)用グラフィカル・ユーザーインターフェース

ビジカルク(VisiCalc9を開発・販売していたビジコープ社によるIBM PC(1981)用グラフィカル・ユーザーインターフェースの市場的失敗-DOS用アプリがその上で動作しない、動作が遅い、価格が高い、要求ハードウェア水準の高さ
 
「パーソナルソフトウェアは、同社の主要製品であるビジカルクを前面に出すためビジコープと社名を変えた。ビジコープは、ラスベガスで開かれた1982年秋のコムデックスで、「ビジオン」(コ—ドネーム「クエイザー」)という名前の高性能IBMPC用のグラフィカル•インタ—フェイスを公開し、再び注目を集める。この時アップルはまだリサを発表していなかったので、これが多くの人にとってウィンドウ、アイコン、マウス、ポインタといったものを初めて見る機会であった。残念ながら、1年後ビジオンが出荷された時には、ほとんど売れなかった。DOS用アプリケーションを実行できなかったため、表計算プログラム、グラフィックプログラム、ワープロ、それにマウスを含む専用のパッケージを購入しなければならず、それが合計で1765ドルもしたのだ。出荷が遅れ価格が高かった上に、動作が遅く、バグが山ほどあり、ハードウェアに対する要求も高かった。1983年8月、コントロール•データがビジオンを買収したものの、その後この業界から姿を消してしまった。しかし、ロータスデベロップメントが1985年にビジカルクの権利を買い、世界初の表計算の技術はロータス1,213に生き続けている。」リンツメイヤー,O.、林信行(2006)pp.91-92

リンツメイヤー,O.、林信行(2006)『アップル・コンフィデンシャル2.5J』上、アスペクト