最も広義の意味における「コンピュータ」は「計算機」であるが、日常的用法としては「電子計算機」(electronic computer)の意味で使われることが多い。それに対応して、英語のComputerという単語は、日本語としては、「計算機」、「電子計算機」、「コンピュータ」という三つの単語に訳し分けられている。
事典や辞書などにおけるコンピュータの定義
- 竹内郁雄「コンピューター」『世界大百科事典』平凡社 — 「ディジタル電子回路を用いて,数値計算や論理計算を行う機械,すなわち電子計算機」
最も広義には,計算を行う機械,すなわち計算機のこと。通常はディジタル電子回路を用いて,数値計算や論理計算を行う機械,すなわち電子計算機を指す。この場合,ディジタルであることを強調して,ディジタルコンピューターともいう。広義のコンピューターは,アナログ電子回路を利用しておもに数値計算を行うアナログコンピューターを含む。本項は,ディジタルコンピューターに限定して記述する。
(中略)
ディジタル電子回路を用いたコンピューターが登場したのは1940年代半ばである。それまでは数値計算を行う狭義の計算機械 (カルキュレーター)と,大量のデータを分類・集計する機械と,論理や制御を扱う論理機械 (オートマトン)の三つが別々の流れで発展してきた。コンピューターの登場と同時に,これらが同じ枠組みで行えることが改めて認識され,狭義の〈計算 calculation〉に代わって,広義の〈計算 computation〉という言葉が使われるようになった。日本語ではこの区別がつきにくいので,コンピューターが行う広義の計算をコンピューティングと呼ぶことがある。
(中略)
本項目で述べたコンピューターはフォン・ノイマンのプログラム内蔵型・逐次制御のアーキテクチャーをもっているので,ノイマン型コンピューターと呼ぶ。これに対してノイマン型以外のアーキテクチャーをもつものを,非ノイマン型と呼ぶ。ただし,ノイマン型のどこを否定したことによって非ノイマン型と呼ぶか,多少のゆれがある。たとえば,ノイマン型の CPU を並べた並列コンピューターは通常は非ノイマン型だが,狭義では非ノイマン型と呼ばない。
狭義の非ノイマン型コンピューターの代表的なものは,シーケンサーがプログラムの実行を逐次制御するのではなく,演算に必要なデータがそろうと演算が行われるというモデルに基づくデータフローコンピューターや,神経回路網をモデルにしたニューラルコンピューターなどである。 - 「計算機」『理化学辞典』第5版 — 数の計算を行なうための機械.とくに電子計算機をさすことが多い.
数の計算を行なうための機械.数値を表わすのに連続的な物理量を用いるアナログ計算機(計算型)と,離散的な数字を用いるデジタル計算機(計数型)とがある.とくに電子計算機をさすことが多い.電子計算機は数の計算にとどまらず広範な情報処理に関する計算を行なう機械ということができる.
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- 「電子計算機」『理化学辞典』第5版 — 半導体素子(IC,トランジスター,ダイオード)または電子管と記憶装置などをもつ回路を利用して,計算その他の情報処理を高速度で自動的に行なう装置
半導体素子(IC,トランジスター,ダイオード)または電子管と記憶装置などをもつ回路を利用して,計算その他の情報処理を高速度で自動的に行なう装置.1946年アメリカで完成したENIAC(エニアック)が最初のものである.デジタル計算機であって,一般に2進数字0,1の信号で数を表わして計算する.本体は制御装置,演算装置,記憶装置からなる.記憶装置は,プログラムやデータを蓄えておく装置である.制御装置は記憶装置から2進符号であらわした計算指令を読みとり,解読し,計算機の各部を制御して指令を実行する.指令には加減算,符号判定,指定番地の記憶装置への書きこみ,読みとりなどがある.演算装置は記憶装置から取り出される数値に演算をほどこし,結果は記憶装置に記録されて,必要に応じてふたたび取り出される.最終結果は記憶装置から出力装置に送られる(*中央処理装置).制御装置と演算装置は,論理回路と一時的な記憶用のレジスター(記憶装置の一部とも見られる)をもち,そのほか計算機各部の信号の時間をあわせるための刻時回路などもある.電子計算機はプログラムさえ適切なものを入れれば原理的にはどんな計算でもできる万能性をもっているので,有効な利用には誤りのないプログラムを用意することが重要であるが,それは計算機そのものをつくること以上に労力を要する仕事である.そこで電子計算機そのものをハードウェア(hardware)といい,プログラムをソフトウェア(software)ともいう.入力装置は最も時間を要する部分なので,効率を上げる工夫を要し,その使用法にオンライン処理とオフライン処理があり,また通信,制御系と直結して使う実時間計算もある.
- 「コンピュータ」『コンピュータ用語辞典』第4版 — 「走行中に操作員が介在することなく,多くの算術演算や論理演算を含むぼう大な計算を行うことができるデータ処理装置」
走行中に操作員が介在することなく,多くの算術演算や論理演算を含むぼう大な計算を行うことができるデータ処理装置.
▼JIS▼(X0001 03.03) 算術演算及び論理演算を含む大量の計算を,人出の介入なしに遂行することのできる機能単位.
〈備考〉
1)計算機は,独立した単体であっても,相互に接続された幾つかの装置で構成されていてもよい.
2)情報処理の分野では,計算機は,ディジタル計算機のことをいう. - 「コンピュータ」『岩波日本史辞典』 — 「一定の手続きに従い自動的に計数処理・情報処理を行う電子計算機」
一定の手続きに従い自動的に計数処理・情報処理を行う電子計算機。入力・出力・記憶・演算・制御の基本機能をもつ。日本最初の自動計算機は1952年に通産省工業技術院が開発したリレー式計算機。また,本格的な電子コンピュータは,東大と東芝の共同計画(53‐59年)によるTACで,さらに最初に稼働したのは56年完成の富士写真フイルムのFUJICであった。その後,電電公社・日立製作所・日本電気・富士通などの各社が続き,米国との技術提携,あるいは*半導体・*集積回路の技術進歩もあって性能は急速に向上し,80‐90年代には各個人・家庭にまでパソコンが普及してきた。[引用者注]コンピュータ=電子計算機という文言の後に、「日本最初の自動計算機は1952年に通産省工業技術院が開発したリレー式計算機」という文言を続けているのは誤解を招きやすい。「日本最初の自動計算機」という主語なので間違いではないが、リレー式計算機は、電子計算機ではなく、電気機械式計算機である。(リレー式計算機は、真空管や半導体素子といった電子部品を用いた機械ではない。計算のために用いられているのは、電磁リレーであるから、分類としては電気機械式計算機ということになる。)
- 「コンピューター」『広辞苑』第六版 — 「計算機。主に電子計算機をいう」
(コンピュータとも)計算機。主に電子計算機をいう。- 「コンピューター」『新明解国語辞典』 — 「「電子計算機」の日常語的表現」
「電子計算機」の日常語的表現。- 日本語版ウィキペディア「コンピュータ」 — 広義には、計算やデータ処理を自動的に行う装置全般のことであるが、・・・今日では特に断らない限り、エレクトロニックコンピュータ(電子計算機)を指す。
コンピュータ(英: computer)は、広義には、計算やデータ処理を自動的に行う装置全般のことであるが、今日では特に断らない限り、その中でも電子技術を用いたエレクトロニックコンピュータ(electronic computer、電子計算機)を指す。事典や辞書などにおけるノイマン型コンピュータの定義
- 「ノイマン型コンピューター」『広辞苑』第六版 — 「プログラム内蔵方式と逐次制御方式を特徴とするノイマン型コンピューター」
フォン=ノイマンの提案した原理に基づくコンピューター。ソフトウェアをメモリーに格納するプログラム内蔵方式と、プログラムから命令を順次読み出して実行する逐次制御方式とが特徴。
- 「フォン・ノイマン型計算機」『理化学辞典』第5版 — 「フォン・ノイマン型計算機=プログラム内蔵方式の電子計算機」
ノイマン型計算機.プログラムをデータと同様にビット列で表わして記憶装置に入れておき,逐次制御カウンター(sequence control counter)の指示に従ってプログラムの命令を次々に実行する方式(プログラム内蔵方式,stored program computer)の電子計算機.最初の電子計算機ENIACではプログラムに配線盤方式を使っていたが,これでは新しくプログラムを配線するにも,配線を変更するのにも大変であった.フォン・ノイマンはプログラムを数値に直してデータの記憶装置に入れ,またデータとしてプログラムの命令を読み出してはそれを解釈,実行する配線盤を作ってプログラム内蔵方式を実験した.この考えに沿って作られた最初の計算機は,ケンブリッジ大学のEDSAC(1947)である.その後の計算機はすべてプログラム内蔵方式でフォン・ノイマン型計算機という.
- 「フォンノイマン・モデル(フォンノイマン型コンピューター)」『知恵蔵』
数学者J・フォンノイマンが一九四五年に提案した今日のコンピューターの基本構成。通称ノイマン型コンピューター。中央演算部、演算の順序づけを命令する制御部、計算を行うためのデータと命令を蓄える記憶機構、そしてコンピューターと人間をつなげる出力部の五つを構成要素とする。記憶部に計算手続き、すなわち命令の集まりであるプログラムを組み込む(プログラム内蔵方式)点が最大の特徴。しかし、効率面では必ずしも優れておらず、日本の第五世代コンピューター研究開発など、非ノイマン型コンピューターを追求するようになった。
- 日本語版ウィキペディア「ノイマン型」 — プログラム内蔵方式のディジタルコンピュータ
プログラム内蔵方式のディジタルコンピュータで、CPUとアドレス付けされた記憶装置とそれらをつなぐバスを要素に構成され、命令(プログラム)とデータを区別せず記憶装置に記憶する。
また、二進法の採用も、要件に含めることがある(二進法と、二進法の基本的な演算(論理演算)の組み合わせで、あらゆるディジタル処理が可能である)。
コンピュータの分類
ノイマン型 vs 非ノイマン型
電子計算機 vs 機械式計算機コンピュータを特徴づける項目
プログラムをデータと同様にビット列で表す
プログラムとデータを共に同一の主記憶装置(高速のメモリ)の中に入れておく — 結線論理(wired logic)型コンピュータとの対比
計算を自動的におこなう — そろばんや手回し式計算機との対比
情報処理をプログラムにしたがって自動的におこなう — 数値計算専用計算機である電卓(electoronic calculator)との対比 - 「コンピューター」『広辞苑』第六版 — 「計算機。主に電子計算機をいう」