パラメトロン素子に対する批判的見解

臼井健治(1986)『日本のコンピュータ開発群像』にっかん書房における記述
日本電気の出川雄二郎氏の証言
「あのころは、パラメトロンの呼び声が高くて、どっちかといえば、パラメトロンをやる人
のほうが偉いようなことをいわれていた。そこをトランジスターでやったのが、和田さんの偉いところだ。」
日本電気の遠藤良明氏の証言
パラメトロンは、スピードに限界があり、電力も食いすぎる。いずれトランジスターに移ることは予想されていたし、MARK-Wが事務用を指向していることも、今後のコンピューターにふさわしいと思った。これを基礎にすれば事務用の実用化が早まるだろう、これを導入すべきだと考えて、帰って上司に報告した」p.306
日本電気の小林宏治氏の証言
パラメトロンは、電源がとんでもなく要る。商用には不向きだ。電気試験所はMARK-IVをトランジスターでやっているのだから、これとタイアップして商用のコンピューターをつくろう。IBMがノウハウをくれないなら、これと競争して負かしてやろうと、大それたことばかり考えていた。そのころ、IBM650の大量もちこみの噂があったが、同じくらいのものをトランジスターでやったら勝つだろう、というわけだった」p.307